7月20日、「マエストロ増田宏昭メモリアルコンサート」に出演いたしました。
昨年7月に亡くなられた増田宏昭先生の一周忌にあたり、これまで先生とご縁のあった演奏家が集い、それぞれの音楽を通して先生を偲ぶコンサートとなりました。
私は、エルガーの《愛の挨拶》、フォーレの《夢のあとに》、ヴァイオリン独奏による《津軽じょんがら節》のほか、《赤い靴》《ヴィリアの歌》《You Raise Me Up》にも参加しました。
中でも《愛の挨拶》には、増田先生との忘れられない思い出があります。
以前ご一緒した際のリハーサルで、先生はこの作品について、「エルガーが愛する人とこれから新しい生活を始める、その清々しい喜びと明るさが込められている。音色が暗くならないよう、めいっぱい明るく」と話してくださいました。
その言葉を受けて演奏すると、それまで弾いていた同じ楽譜が、まるで違う景色を見せてくれたことを今でもよく覚えています。
増田先生は、楽譜に書かれていることを何よりも大切にし、一音一音の意味を深く考え、作品に誠実に向き合う音楽家でした。
今回、コンサートの最初に《愛の挨拶》を演奏しながら、あの日の先生の言葉を何度も思い出しました。また、《赤い靴》や《ヴィリアの歌》では、先生ご自身の編曲を演奏することができました。
楽譜の中には、先生が音楽に注がれた思いや、お人柄が今も確かに残っています。
ご一緒した出演者の皆さま、会場にお越しくださった皆さまとともに、増田先生を思い、音楽を奏でることのできた一日でした。
あの日いただいた言葉と、ともに生み出した音の記憶は、これからも私の中で響き続けていくことと思います。
ご来場くださいました皆さま、本当にありがとうございました。

勝又康介氏、藤原桂子氏、近藤幸江氏、増田敬子氏、高橋和歌、籔内俊弥氏