今日のコンサートで、ベートーヴェンの 弦楽三重奏曲 Op.8 と七重奏曲 Op.20 を演奏できたことを、嬉しく思っています。モーツァルトの語法を色濃く残した初期の室内楽作品から、そこに新しい構想力が加わり、やがてベートーヴェン自身の森へと分け入っていく過程。さらにその先に、次の音楽の地平へと続いていく流れを、作品を通して実感することができました。
弦楽三重奏という緊密な編成から、七重奏曲という、より広い響きの空間へ。編成の変化そのものが、ベートーヴェンの思考の拡張を示しているようにも感じられます。
このプログラム全体を構成し、導いてくださったチェリストの櫻井慶喜さんに、心から感謝いたします。共演の方々も素晴らしく、演奏していて幸せでした。
一昨日張り替えたばかりの新しい弦「Warchal The Beast」は音の立ち上がりがよく、音量も安定していて楽に演奏できました。「Rondo」の方が倍音を強く感じますが、「Warchal The Beast」は燻みのような味わい深い音色が魅力です。
本番という一点に向かって積み重ねてきた時間が、音となり、空間に解き放たれていく。その瞬間に立ち会えた喜びで満たされています。
